米国ニューヨーク市場は、いつテーパリングが行われるのか、雇用統計はどうなるのか、デルタ株は抑え込めるのか、さまざまな思惑が混ざり合う混沌とした中で、スタートを切りました。
しかしその中でも、米国株のいくつかの銘柄では、直近の業績報告に投資家が好意的に反応したことで、さらに大きな上昇を記録しました。2桁の上昇率を記録して幸先のいい9月スタートを切った、期待の2銘柄をご紹介します。
Anaplan (NYSE:PLAN)
アナプランは米国のソフトウェア企業。企業経営に必要とされる計画立案およびパフォーマンス管理などの分析を行うクラウド型プランニングソリューションを提供しています。
Anaplanの株価は、水曜日の朝に13%上昇しました。クラウドネイティブなビジネスパフォーマンス・ソフトウェア・プロバイダーであるAnaplanは、そのプラットフォームへの関心が継続しており、第2四半期の財務結果の向上に貢献しました。
Anaplanの数字は印象的でした。サブスクリプション収入が35%増加したことにより、総収入は前年同期比で36%増加しました。Anaplanの現在の契約に基づく残りの履行義務は、前年同期比29%増の9億600万ドルとなり、現在の実行率では6四半期分以上の収益に相当します。調整後の損失は1株当たり0.09ドルと2倍以上になりましたが、Anaplanを追っている多くの人が予想していた1株当たり0.14ドルの損失よりはだいぶ軽症でした。
エンタープライズ・リソース・プランニングは厳しいビジネスであり、Oracle、Microsoft、SAPなどの大手企業は、Anaplanよりもはるかに大きな規模と豊富なリソースを持っています。しかし、Anaplanは、クラウドコンピューティングと人工知能を組み合わせて顧客組織内のコネクションを提供するなど、軽快な動きをすることで、はるかに大きな競合他社を抑えてきました。その一方で、Anaplanはプラットフォームにさらなる機能を追加するために、常に革新を続けています。
今日の上昇でも、Anaplanの株価は2月の高値を大きく下回っています。しかし、同社が勢いを増していることから、Anaplanがソフトウェア・アズ・ア・サービス(SOAS)関連銘柄の中で史上最高値を更新する日もそう遠くはないかもしれません。
PVH (NYSE:PVH)
PVHは「Calvin Klein」「Tommy Hilfiger」などのブランドを持つアパレルメーカーです。
PVHの急成長は、COVID-19パンデミックの最悪の状況からの回復を反映しています。売上高は46%増の23億1,000万ドルで、主に欧州からの卸売り収入が77%増加したことが要因です。売上総利益率は57.7%と2ポイント近く上昇し、在庫水準も魅力的な低水準を維持しており、PVHの製品に対する高い需要を示しています。また、世界各地の景気回復を受けてデジタルコマースが停滞したものの、消費者への直接販売の売上は19%増加しました。利益は調整後で1株当たり2.72ドルとなり、前年同期の0.13ドルから20倍以上に増加しました。
PVHのブランドは一貫して堅調な業績を記録しました。「Calvin Klein」は、北米での75%増を筆頭に56%増。また「Tommy Hilfiger」の売上高は、前年同期比で41%増加しました。
これらの好調な業績を踏まえ、PVH社は今年の残りの期間のガイダンスを引き上げました。2021年の調整後利益は、前回予想から2ドル増の1株当たり8.50ドルを見込んでいます。パンデミックの影響で緊縮財政を強いられていた消費者が消費を急ぐ中、小売業界は急激に回復しているように見えます。