10月に入りました。野球のプレーオフ、パンプキンスパイスラテ、来るべきホリデーシーズン、そして米国の株式市場にとって今年も素晴らしい年になりそうなことなど、すべてが笑顔になれる季節です。
しかし、新たに投資を始める人にとっては、それほど喜ばしいことではありません。外から見ると、高いバリュエーションで、数ヶ月の間に何倍にも膨れ上がった銘柄がたくさんあるのを見ると、恐ろしくなってしまいます。
そこで、投資を始めたばかりの人に最適な成長株はどれか、米国のベテラン投資家がオススメする今が買い時な米国株銘柄をご紹介します。
数年に一度の上昇局面を迎える産業界の巨人:Caterpillar (NYSE:CAT)
投資家は、フェデックスの業績不振を見れば、サプライチェーンの問題、インフレ、労働力不足などから実体経済が受けているダメージを知ることができます。土木建設機械や産業機械メーカーのCaterpillar (NYSE:CAT)も同様です。Caterpillar (NYSE:CAT)の売上の半分以上は米国外からのもので、最大の成長市場は中国です。中国では、経済的・政治的な問題に加えて、Evergrandeスキャンダルに見られるように、不動産業界が揺らいでいます。
Caterpillar (NYSE:CAT)の株価は、2020年、減収減益にもかかわらず、S&P500をアウトパフォームしました。このアウトパフォームは、Caterpillar (NYSE:CAT)が経済回復の最前線にいるという期待によるものでした。Caterpillar (NYSE:CAT)の業績は良好ですが、ウォール街の期待には応えられていません。その結果、Caterpillar (NYSE:CAT)の株価は、市場が横ばいであるのに比べて、過去3ヶ月間で10%近く下落しています。
Caterpillar (NYSE:CAT)の上昇は遅れているかもしれませんが、脱線はしていません。住宅市場の隆盛は、建設事業にとって良い兆候です。また、基礎資材の需要が旺盛であれば、鉱山事業にも貢献します。最大の追い風は、2021年にはあまり話題にならなかった石油とガスです。石油とガスの価格は、2014年の暴落以来の最高水準で推移しています。建設会社としての評価が多いですが、Caterpillar (NYSE:CAT)の最大のビジネスユニットはエネルギー・輸送です。石油やガスの掘削・生産、ガス圧縮、海上輸送などに欠かせないエンジンやモーターなどの産業機器を製造・サービスしています。
さらに、Caterpillar (NYSE:CAT)は、25年以上にわたって毎年配当金を引き上げている配当貴族です。2.3%の配当利回りは、Caterpillar (NYSE:CAT)のビジネスが数年に渡って上昇していくことを示しています。
新産業時代のエキサイティングなプレーヤー:Ansys (NASDAQ:ANSS)
キャシー・ウッドが2回も選んだほど、素晴らしい成長技術株、Ansys (NASDAQ:ANSS)。自称「世界最大のエンジニアリング・シミュレーション企業」であるAnsys (NASDAQ:ANSS)は、ARK Investの上場投資信託であるARK Space Exploration & Innovation ETFとARK Autonomous Technology & Robotics ETFの1つだけでなく、2つに組み込まれています。
エンジニアリング・シミュレーション・ソフトウェアを開発するAnsys (NASDAQ:ANSS)は、製品や製造プロセスが実際の状況でどのように動作するかを予測する能力を企業に提供しています。これにより、顧客は開発コストを削減し、製品をより早く市場に投入することができます。
航空宇宙、自動車、ヘルスケアなど、Ansys (NASDAQ:ANSS)のソフトウェアを利用する顧客はさまざまな業界にわたっており、成長の機会も豊富にあります。実際、経営陣は、シミュレーションのアドレッサブル市場は2026年までに158億ドルから206億ドルに拡大し、2018年の66億ドルから約200%の成長を遂げると予測しています。しかし、2027年に同社の成長見通しが先細りになるというわけではありません。Ansys (NASDAQ:ANSS)は、アディティブ・マニュファクチャリングやインダストリアル・インターネット・オブ・シングスなどの新たなアドジャンクションのアドレサブル市場だけでも、2026年の約41億ドルから2030年には約200億ドルにまで高騰すると予測しています。
新規の投資家は、この株価(現在約350ドル)に抵抗を感じるかもしれませんが、一見高い価格が必ずしも投資の障害になるとは限らないことを認識することが重要です。現在、多くの証券会社では端株を購入することができるので、端株を購入できない投資家でもポジションを持つことができます。経験の浅い投資家は、たくさんの株を持っている方が有利だと勘違いしがちですが、それは間違いです。投資家は、自分がどれだけの資金を投入したいかを考えるべきなのです。
Ansys (NASDAQ:ANSS)は、電気自動車、3Dプリンター、産業用モノのインターネットなど、急速に成長している幅広い業界にエンジニアリング・シミュレーション・ソリューションを提供しており、数十年の投資期間を持つ新規投資家にとって魅力的な成長の道筋が見えています。
航空宇宙関連銘柄:AAR Corporation (NYSE:AIR)
成長株を買うには、会社が成長目標を達成できないというリスクを受け入れなければなりません。航空アフターマーケットサービス会社であるAAR Corporation (NYSE:AIR)の場合、最も大きなリスクは、商業航空市場が大方の予想通りに回復しない可能性があることです。
しかし、ここで重要なのは、出発便数が2019年のレベルに戻るかどうかではなく、いつ戻るかということです。そのため、AAR Corporation (NYSE:AIR)の株式が売られていることを、長期的な成長ストーリーを購入する機会ととらえることは理にかなっています。
AAR Corporation (NYSE:AIR)は、航空会社に中古部品や純正部品を供給し、メンテナンス・修理・オーバーホール(MRO)サービスを提供しているため、出発便数は重要な意味を持ちます。飛行機の出発回数が増えれば、部品や航空サービスへの需要も増えます。同社の収益の大部分(60%強)は民間市場からのものであり、残りは政府(主に防衛)からのものです。
このように、同社は新規投資家が理解するには比較的シンプルな成長株なのです。航空市場の回復を狙っているだけの銘柄です。もしあなたがそれに納得できるなら、AAR Corporation (NYSE:AIR)は数年に渡る回復ストーリーとして購入すべき銘柄です。AAR Corporation (NYSE:AIR)は、2022年度の推定利益のわずか13.5倍という価格で取引されており、投資価値があると思われます。