クルーズ船の運営会社大手であるロイヤル・カリビアン社とカーニバル社の株価が2021年9月3日金曜日、低迷しました。
具体的には、カーニバル・コーポレーション(NYSE:CCL)とロイヤル・カリビアン(NYSE:RCL)の株価は、それぞれ4.4%と4.2%の下落で終了しました。
その背景には、本日発表された「雇用統計」と「デルタ株」があります。
9月3日(金)発表の雇用統計はどうだったか?
米労働省が発表した8月の雇用統計によると、米国経済はパンデミックの影響で23万5,000人しか雇用が増えておらず、エコノミストが予想していた72万人の3分の1以下となっています。CNBCは、この報告を「1月以来最悪」とし、「パンデミックに対する恐怖心の高まりと、COVID患者の増加による影響」が、この悲しい数字の背景にあるようだと指摘しています。
2つの結論
投資家はここから2つの結論を導き出すことができます。
1つ目は、COVID-19のデルタ株が経済の足を引っ張っているということです。雇用が減ると同時に、ウイルスが蔓延し続けると、当然、大勢の人と一緒に行動したいと考える人たちの頭を悩ませることになります。例えば、それはクルーズ船で何日も見知らぬ人たちと一緒に過ごすことが含まれます。
第2に、COVID-19が雇用を減らせば減らすほど、たとえクルーズに行きたいと思っていても、クルーズに使える仕事や可処分所得が減ることになります。政府からの追加支援金も期待できない今、先立つものがないと人は動けません。
これら2つの理由から、弱い雇用統計はクルーズ業界にとって悪い兆しと受け取られ、クルーズ株の投資家は、この事実に反応して株を売却したと言えます。