ここ1ヶ月ほど、ナスダック総合株価指数(Nasdaq)とダウ平均株価(Dow Jones)の間には、大きな乖離が見られました。ナスダックが3月8日(月)現在、10.5%減の調整に入ったのに対し、ダウは3月9日(火)に日中の史上最高値を更新しました。この2つの指数の間には、過去28年間で最も大きな乖離が生じています。
そんな史上最高値を更新しているダウですが、まだまだ多くの掘り出し物があります。本日は、これからさらに24%〜31%のアップサイドを秘めているダウ銘柄、4つをご紹介します。
アップル(NASDAQ:AAPL):25%のアップサイド
米国最大の株式公開企業であり、世界最大の企業価値を誇るアップル(NASDAQ:AAPL)ですが、ウォール街のコンセンサス目標価格によると、今後1年間で25%のアップサイドがあるとされています。この目標価格が正確であるとすれば、アップルの2兆3000億ドルの評価額にさらに約5000億ドルの時価総額が加わることになります。
確かにアップルは今だに成長を感じさせる予兆があります。2020年に初めて5Gに対応したiPhone12を発表。発売された第1四半期に、アップルはiPhoneの販売台数の新記録を樹立しました
また、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、アップルの営業利益率を向上させ、長期的な見通しを改善し、製品とサービスにおいて顧客がアップル・エコシステムの中にとどまるよう、に特別なインセンティブを与える仕組みを整えようとしています。
アップルは積極的に自社株を買い戻し、12ヶ月間で約890億ドルの営業キャッシュフローを生み出しているため、長期的には上昇することは間違いありません。1年で25%の上昇は望めないかもしれませんが、「上昇する」という期待に間違いはなさそうです。
メルク(NYSE:MRK):30%のアップサイド
メルク(NYSE:MRK)にもさらに大きなアップサイドを見出すことができます。製薬会社のメルクは、3月9日(火)に1株74ドルで終了しましたが、ウォール街のコンセンサス目標価格は96ドルとなっています。これは30%のアップサイドであり、メルクは20年以上前の史上最高値に再び立ち返ることになります。
メルクの最大の成長要因はがん免疫療法薬「キイトルーダ」。2020年のこの薬の売上は、30%急増し、144億ドルに達しました。キイトルーダは、進行性小細胞肺がん、さまざまなステージの非小細胞肺がん、進行性胃がんなど、いくつかの病症に対してすでに承認を受けています。さらに、単剤または併用療法として数十の臨床試験が行われており、さらなる適応拡大の可能性が期待されています。メルクのがん治療の主力製品が、世界で最も売れている薬になる可能性は十分にあります。
また、アニマルヘルス事業も好調です。パンデミックの中、メルクはアニマルヘルス事業の売上を10%増加させ、47億ドルに達することができました。ペットオーナーや農家の顧客が、動物の健康のためにさらにこれらの薬に投資する可能性があることは、夢物語ではないように思えます。
ウォルマート (NYSE:WMT):24%のアップサイド
小売業の巨大企業であるウォルマート (NYSE:WMT)も、驚くべきアップサイドの可能性を秘めています。ウォールストリートの専門家たちは、同社が今後12ヶ月間で1株あたり160ドル近くになることを期待しています。2月中旬の暴落を加味すると、最大で24%のアップサイドになります。
ウォルマートはその巨大な規模を活かして大量購入をすることが多く、価格面ではほとんどの場合、小規模な小売店を下回ることができます。
さらに、ウォルマートの魅力を高めているのが、テクノロジーへの投資です。ウォルマートの米国でのECの売上は、2021年度の第4四半期に69%も急上昇しました。また、同社は2022年度にさらに140億ドルの投資を予定しており、サプライチェーンの拡大と自動化に取り組んでいます。
2020年9月中旬に開始されたWalmart+メンバーシップの登録者数は740万人から820万人と推定され、ウォルマートは最大のライバルであるAmazonに一矢報いようとしています。
セールスフォース(NYSE:CRM):31%のアップサイド
ダウ銘柄の中で最も大きなアップサイドを持つのは、クラウドベースの顧客管理(CRM)ソフトウェア企業であるセールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)です。
なぜこれほどまでに注目されているのか。セールスフォースのソリューションは、消費者向けのビジネスをより効率的にするのに役立ちます。小売業やサービス業では当然のことですが、金融業や製造業、ヘルスケアの分野でもよく利用されています。リアルタイムの顧客情報へのアクセス、サービスや製品に関する問題の解決、マーケティングキャンペーンの管理、既存顧客へのアップセルの提案などが可能なセールスフォースは、すでに巨大な企業でありながら、さらにDX(デジタル・トランスフォーメーション)の波に乗り、これからも二桁成長を期待できる優良銘柄です。
IDCによると、2020年上半期の世界のCRM売上高の20%弱をセールスフォースが占めているといいます。これは、シェア2位から5位までの企業の合計を上回る数字です。
セールスフォースは、277億ドル相当の現金と株式でSlack Technologiesを買収することが決まっており、Slackのコミュニケーションプラットフォームを利用している中小企業へのクロスセルも間もなく可能になります。ダウ銘柄の中でも急成長を遂げている企業の1つであるセールスフォースには、無限の可能性が秘められています。
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